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■ 会場ガイダンスの実情 (2)

 前回、大学進学あるいは大学院進学に際しての、本当に知りたい情報は、なかなか手に入り難いと言いました。 パンフレットを読んで、会場ガイダンスへ行って、直接、その大学のブースで話を聞いたとしても、どうも釈然としないことが多いと思います。

 ブースに座っている大学関係者が、実は、進学や入試の素人であったり、教育に関しての見識を待ち合わせていない、ただの事務的な職員やアルバイト学生であることがほとんどだからです。

 まれに、大学教授が座っている場合がありますが、これも、相談者として、頼りになるとは考え難いのです。 なぜならば、大学教授は、自分の専門分野の見識は深いのですが、専門をはずれた話では、ただの素人なのです。

 しかも、ほとんどの時間を、自分の専門分野の深化に費やしているため、専門以外の話題や情報については、世間一般並みの情報も持ち合わせいないことが多いのです。

 では、会場ガイダンスに行くことは意味がないことなのでしょうか?
 いいえ、そうではありません。運が良ければ、アドミッション・オフィサーに会うことができるのです。

 各大学には、教育や進学、入試に関する情報を集積し、深い見識を持っているアドミッション・オフィサーが、少なくても一人以上はいるはずです。

 かれらは大学内で非常に多忙のため、会場ガイダンスのブースに出てくる可能性は低いのですが、それでも、数十の大学が集う会場ガイダンスに行けば、どこかの大学で、アドミッション・オフィサーが座っている可能性があります。

 大学への進学を意識したとき、まず、考えるべきことは、これから何を学びたいかです。そして、それを学べる学部は何かということです。

 それから、その種の学部を持つ大学はどれだけあって、大学間にどういう違いがあるのかを調べます。これが大学選びの手順です。

 この手順を、スムースに進めて、ほんとうに行きたい大学を見出すために、アドミッション・オフィサーと、一度、話をしてみると、非常に勉強になります。みなさんの思い込みや勘違いが、アドミッション・オフィサーの深い見識に触れることで、解消されていくのです。

 アメリカの高校生であれば、プロの教育コンサルタントのコンサルティングを受けることで、大学を絞り込んでいきます。しかし、わが国には、大学選択をコンサルティングできるレベルの教育コンサルタントが非常に稀有なのです。これは、とても悲しいことですが。

 だから、大学にいるアドミッション・オフィサーの話を聞く意味が大きいのです。 ブースに座っている大学スタッフが、教育に関して、どれほどの見識を持っているのか、あるいは、アドミッション・オフィサーであるのかどうか、それを判断する方法は、そのスタッフに、学部についての説明を求めてみることです。 返答が、所属大学の学部の宣伝話に終始するようであれば、「駄目だぁ、こりゃっ」ということで、そのブースは、
はずれブースと思いましょう。深い見識は期待できません。

 返答が、大学を横断して、その学部の特性や教育内容について、丁寧な説明であるようであれば、そのスタッフは、「なかなか出来る!」と思ってもいいかも知れません。

 アドミッション・オフィサーに会って、相談できることは、とてもラッキーなことですが、逆に、相談する側も、見定められていることを忘れないでください。

 アドミッション・オフィサーは、入学試験で合否判断を数多くこなしてきた人物でもあります。志願者をふるいにかける眼力があると思ってください。

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 相談する際の話し方、相手の話を聞くときの聞き方、態度、目の動きなど、膨大な志願者を見てきたオフィサーからすれば、この相談者の、志願者としてのクオリティーを推量しようとすれば、測るのは容易なのです。

 運良く、アドミッション・オフィサーみたいな人物に会えて、話ができたとしたら、しっかりと相手の顔を見て、ハッキリとした声で、明瞭に質問し、回答には、謝意を示しましょう。それが、人としての最低のマナーでもあります。

 筆者も、多くの、生徒、親、社会人の方と接してきましたが、同じ質問であっても、良質な答えを引き出せる生徒と、通り一遍の答えしか返答してもらえない生徒とがいることは明白でした。

 相手は、シニアな大学スタッフだ。礼儀と親しみやすい態度で、ハキハキと質問しましよう。沈んだ態度や、キョロキョロとした態度は
、大学側見れば、暗愚な生徒に見られ、「駄目だぁ、こりゃっ」と、舌打ちをされるだけです。

 さて、具体的に、会場ガイダンスですが、この夏最大のものは、8月初頭の日本武道館での会場ガイダンスです。

 会場ガイダンスで、価値のある話が聞けるかどうかは、あなたの運と、あなた自身の態度にかかっていると思います。




間違いだらけの大学選び 〜目からウロコのアドバイス〜
更新: インテグリタス(東京)
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